検査特性とは


検査をうまく使いこなすために必要な知識として、感度・特異度、陽性尤度比、陰性尤度比、陽性適中率、陰性適中率がある。

 

感度(sensitivity)

病気やイベント(転倒,入院,歩行自立など)が発生した者の中で、検査陽性に出る者の割合で真陽性率とも呼ばれる。

2×2表ではa/(a+c)

 

感度が高いということは、そのイベント発生者の大部分が検査陽性になることを意味する。

 

特異度(specificity)

病気やイベントが発生しない者の中で、検査が陰性に出る者の割合で真陰性率とも呼ばれる。

2×2表ではd/(b+d)

 

特異度が高いということは、そのイベントが発生していない者の大部分が検査陰性になることを意味する。

 

陽性適中率(positive predictive value)

検査陽性者のなかでのイベント発生者の割合を示す。

2×2表ではa/(a+b)

 

陰性適中率(negative predictive value)

検査陰性者のなかでのイベントが発生しない者の割合を示す。

2×2表ではd/(c+d)

 

感度と特異度がわかれば尤度比が計算できる。

尤度比は検査の正確性を表す指標で、陽性尤度比と陰性尤度比がある。

 

陽性尤度比(positive likelihood ratio) = 感度/1-特異度

検査で陽性が出たときに、病気や転倒などのイベントがどの程度発生しやすいかをオッズ(倍率)で表したものである。高ければ高いほど確定診断に有効とされ、目安は10以上とされる。

 

陰性尤度比(negative likelihood ratio) = 1-感度/特異度

検査で陰性が出たときに、病気や転倒などのイベントがどの程度発生しにくいかをオッズ(倍率)で表したものである。低ければ低いほど除外診断に有効とされ、目安は0.1以下とされる。